福岡市のOSMのフットプリントが大幅に充実
表題の通り、福岡市のPLATEAUからのインポートが始まったらしい。
PALTEAUより提供がされる福岡市のモデルはLOD2であり、これに含まれている高さ、階数データがOpenStreetMapの福岡市内の建物フットプリントに与えられる。
福岡市ではこれまで、自分以外にもいろんなマッパーが活躍していたようで、中心市街地のほか、局所的に建物が充実して書き込まれているところを見かけていた。 それでも「空白地帯」は少なくなく、天神の大名地区などはかなり頑張って航空写真より描画してきた。
コレによって福岡市域のフットプリントが大幅に充実されることにあいなった。
ちなみに
福岡市(2022年度版)においては厳密にはLOD2とLOD1の間に大きな違いはない。 測量実施業者と福岡市の間で取り決めがあったランドマークだけが多少複雑なポリゴンとして実装されており、表面テクスチャも存在しない。
地下 (階数がマイナスのデータ)も存在せず、都市計画基礎調査に建物の高さおよび階数情報を入力した格好のようだ。
PLATEAUインポートの”小さな”問題点
普段マッピング対象にしているOpneStreetMap福岡市域へのPLAETAUのインポートが始まってから、自分でもびっくりするほどマッピングに対するモチベーションが減ってしまった。
どうしても楽しみを奪われてしまったような気持ちに苛まれた。
PLATEAUの元になっている測量会社が取りまとめた土地計画基礎調査の建物情報は膨大な調査の産物で基本的には網羅性が高いが、 福岡市の最新版のデータ(2024年度版)は2025年4月2日に公開されており、その間に取り壊しにあった建物などがインポートに際して「復活」してしまったり、最近のマッピング結果を上書きしてしまう箇所があり、二度手間を感じた時が最もやるせない瞬間と言えるだろう。
(あと局所的には「俺が測量した場所の方が精度高いが?」みたいな箇所もある。←張り合おうとするな。)
インポートツールにおいては、既存のOSM上のデータとの幾何マッチングや、インポート前のステージング(プレビュー)などが本当は強化されるべきなのかもしれない。
公益を考えると、マッパーの楽しみよりも地図の充実が優先されるのは間違いないが、マッピングをする人間のモチベーションが下がるのは不利益なのでは…と感じている。
とはいえ、この流れによって、我々マッパーはもっと本質的な地物の充実にとりくんだり、建物フットプリント充実することでさらに違うことに関心を寄せられるようになったりするのは間違い無いだろう。
あと、おそらくこれは過去にもあった話でデータの大規模インポートがされるたびにマッパーたちの一部は「うわッダリ〜もうやんねえ!」って吐き捨てたんだろうなと思う。めっちゃわかる。これは必要な痛みなのか?
PLATEAU以外の例だと、鳥取県のOpenStreetMapのフットプリントは非常に充実しており、これは鳥取市などが基礎調査のデータを提供してくれたかららしい。そこでもモチベーションがなくなってマッピングを止めてしまったユーザがいたようだが、フットプリントが描かれれば地物は乗せ(載せ)やすくなるは事実で、人口比を考えても、鳥取市内のPoIはかなり充実している。
ほなおしまいか?
まあPLATEAUからのインポートで「はい終了」とはならずに、地図は更新をし続けていく必要があるし、あくまで建物のフットプリントだけが充実したところで載せなければいけない地物はまだまだたくさんあるので、隙あらば唆してマッパーを増やしていきたい。
また、PLATEAUが提供されていない自治体の方が今現在は多いのだから、まだまだ描くべきフットプリントはたくさんあるし、描く人間を増やしていく必要もある。(フットプリントに限らず、特にカジュアルに地図に親しむ層が「地図に残す」っていう選択肢を取りやすくすることがとても大切だと思っている。)
福岡市に至っては、PLATEAUには地下街やアーケードの天蓋がデータとして入っていないので、簡易測量だけではどうにもならない部分があって、どうしたもんだろうなコレ。 あと福岡タワーがデータとして入っていないのはもうちょっと福岡市さん折衝頑張ってくださいよって思った。 (建築種別が「電波塔」だから仕方がない感じもあるけど。ちなみに東京タワーは東京都港区ではLOD2 / LOD3が提供されているのでPLATEAUでも描画される。)
そんなこと言いつつ結局毎日アベレージで100棟くらい描いてるんだよな。 (最近は川下りで有名な柳川市のマッピングがアツい。)